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子供の矯正は本当に必要?治療が必要かを見極める判断基準と受診の目安とは

「うちの子、歯並びが気になるけど、本当に矯正治療が必要なのかな?」

お子さまの歯並びについて、こんな疑問をお持ちの保護者の方は少なくありません。学校検診で指摘されたり、周りのお友達が矯正を始めたりすると、焦りや不安を感じることもあるでしょう。

実は、すべてのお子さまに矯正治療が必要というわけではありません。一方で、成長期だからこそ早めに対処すべきケースも確実に存在します。

この記事では、日本矯正歯科学会のガイドラインに基づき、小児矯正が本当に必要なケースの見極め方、受診の目安となる年齢やサイン、専門医への相談タイミングまで、歯科医師の視点から詳しく解説します。

小児矯正が本当に必要なケースとは

小児矯正が必要かどうかは、お子さまの歯並びやかみ合わせの状態によって大きく異なります。

矯正治療が必要な歯並びには数多くの種類があり、その中には一見問題があると判断できないものも含まれています。特に「開咬」や「過蓋咬合」などの診断は、専門的な知識や経験が求められます。

骨格的な問題がある場合

顎の骨の成長に問題がある場合、成長期だからこそできる治療があります。

上顎と下顎のバランスが大きくずれている場合、成長期に顎の発育をコントロールすることで、将来的に外科手術を避けられる可能性が高まります。具体的には、出っ歯(上顎前突)や受け口(下顎前突)などの骨格性の問題です。

横顔のレントゲン(側面セファロ)を撮影し、同じ年齢の歯並びが良い人のデータと比較することで、上顎下顎の前後的位置を確認できます。成長期のうちに上下の顎のバランスを整えておくことで、二期治療での抜歯が必要なくなったり、将来的な外科矯正のリスクが少なくなったりするなど、多くのメリットがあります。

永久歯の生えるスペースが不足している場合

顎が狭く、永久歯が並びきれない状態が予測される場合、早期に顎を側方に成長させることで、永久歯の萌出のためのスペース確保に努めることができます。

混合歯列期に顎の発育成長がコントロールできると、永久歯は自然と適切な位置に萌出します。これにより、将来的に抜歯をせずに済む可能性が高まります。

機能的な問題がある場合

食べ物をうまく咬み切れない、発音がしにくいなど、日常生活に支障をきたしている場合は、早期の治療が推奨されます。

開咬(オープンバイト)は、奥歯を咬み合わせた時に前歯が咬み合わず開いてしまう状態で、食べ物をうまく咬み切れないことがあります。12~20歳の日本人の1割程度が開咬の傾向があると言われており、比較的身近な症状です。

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小児矯正を急がなくてもよいケースもある

実は、多くの場合で小児矯正を急いで始める必要はありません。

世界レベルの研究では、中学生以降になってから始める方が、時間もお金も節約できて、同じかそれ以上の結果が得られることが報告されています。

科学的研究が示す事実

アメリカのノースカロライナ大学で10年間かけて行われた大規模な研究では、重度の出っ歯の子どもたちを2つのグループに分けて比較しました。

Aグループは小学生のうちに1期治療を始めて中学生で2期治療、Bグループは中学生になってから一度の矯正治療を行いました。その結果、最終的な歯並びの美しさ、噛み合わせの良さ、治療期間、治療の複雑さ、すべてにおいて大きな差がなかったのです。

イギリスの研究者たちが世界中で行われた小児矯正の研究を集めて分析した結果も同様で、「11歳以前の矯正治療が、後から始める治療よりも優れているという証拠は見つからなかった」という結論でした。

戦略的待機という選択肢

当院では、症例の内容だけでなく、家庭環境やお子さまのキャラクターも見て、ベストな治療に介入する時期を検討しています。

子供の頃から長期に渡り治療を行うと、お子さまのストレスになることや、協力度が年々低下し、むし歯のリスクも増加することも考慮すべき点です。「できるだけ期間が短い方が良い」という考え方から、早期からスタートせず戦略的待機を行うこともあります。

受診の目安となる年齢とサイン

では、具体的にいつ受診すればよいのでしょうか?

一般的な目安と、注意すべきサインについてご説明します。

年齢別の受診目安

0~3歳では、歯に興味を持ち、歯みがき習慣と歯科通院に慣れることを目標とします。この時期は、舌の使い方や飲み込み方、口呼吸などの習慣にも着目し、正しい口腔機能の発達をサポートすることが重要です。

4~5歳では、正しい歯みがき習慣の定着と口腔内環境の安定を図ります。乳歯列期に顎の発育成長をコントロールできると、永久歯は自然と適切な位置に萌出します。

6~12歳では、永久歯を守りながら、歯並びやかみ合わせを意識した管理を行います。特に混合歯列期は、歯並びやかみ合わせに大きな影響が出る時期です。

一般的な一期治療の開始時期は、矯正装置の取り扱いが理解できる小学生の低学年ぐらいからです。必要な場合には乳歯列期から一期治療を開始することもありますが、多くは混合歯列期(永久歯と乳歯が混在する時期)からです。

こんなサインがあったら受診を

以下のようなサインがある場合は、早めの受診をお勧めします。

  • 前歯の上と下がひっくり返ったようなかみ合わせ(受け口)
  • 上の前歯が前に出ている(出っ歯)
  • 歯と歯が重なってでこぼこに生えている(乱杭歯・八重歯)
  • 上下の歯を咬み合わせると下の前歯が見えない(過蓋咬合)
  • 奥歯を咬み合わせた時に前歯が咬み合わず開いてしまう(開咬)
  • 口呼吸が習慣化している
  • いびきをかく
  • 姿勢が悪い(猫背など)
  • 食事中に足が床につかない

姿勢の乱れや口呼吸、いびきは、歯並びや顎の成長に影響を及ぼす可能性があります。当院では歯科の視点から、姿勢チェックや口腔機能の評価を行い、必要に応じてトレーニングや生活指導を行っています。

専門医への相談タイミング

「まだ早いかも」「むし歯はないけど心配」という段階でも、相談することは大切です。

早めの相談がもたらすメリット

早めに専門医に相談することで、お子さまの成長に合わせた適切な治療計画を立てることができます。

中には早くに治療を始めないと、歯肉にダメージが出たり、正常な歯の生え替わりが起こらないケースもあります。また、お子さん自身が見た目が悪い事をコンプレックスに感じているケースもあります。このような場合は、治療期間は長くなる事をご承知の上、小学生から治療を始める事をお勧めする事もあります。

初診時に確認すべきこと

初診時には、以下の点を確認することをお勧めします。

  • 治療が必要かどうかの診断根拠
  • 治療開始の適切な時期
  • 予想される治療期間と費用
  • 使用する装置の種類と特徴
  • 治療のリスクと副作用
  • 定期的な通院の頻度

適切な検査および診断を行い、いつから治療を開始すべきかを見極めることが重要です。素人では矯正が必要な歯並びかどうかの判断は難しいため、少しでも不安や疑問がある場合は、一度専門医に相談することをお勧めします。

セカンドオピニオンの重要性

他院で「すぐ矯正治療を始めた方が良い」と言われた場合でも、別の専門医の意見を聞くことは有益です。

矯正歯科医によって治療方針や考え方が異なる場合があります。複数の専門医の意見を聞くことで、より納得のいく治療選択ができます。

当院の小児矯正へのアプローチ

当院では、お子さまの将来を見据えた総合的なアプローチを大切にしています。

むし歯ゼロを目指す予防重視の姿勢

当院の小児歯科・小児矯正の目標は、生涯にわたって「むし歯ゼロ」で過ごせるお口を育てることです。

8~9歳までにむし歯を経験しない、または増やさずに過ごせたお子さまは、将来のむし歯リスクが大きく下がると考えられています。そのため、定期的なチェックとフッ素の活用、生活習慣へのアドバイスを通じて、早い段階から予防に取り組んでいます。

お子さまのペースを大切にした診療

歯科医院に苦手意識を持ってしまうと、通院そのものが負担になり、結果としてお口の健康を守れなくなってしまいます。

当院では、いきなり治療を行うことはせず、衛生士の膝の上でお口を見せる、診療台に座る、レントゲン撮影に慣れるといった段階を踏みながら、お子さまのペースで無理なくステップアップしていきます。「楽しく通える歯医者」であることを大切にしています。

口腔筋機能療法と予防矯正

小児矯正は、歯を無理に動かす治療ではありません。成長期だからこそ可能な、顎の発育や筋肉の使い方を整える治療です。

当院では、口腔筋機能療法(MFT)とマウスピース型矯正装置を併用し、歯並びが悪くなる原因そのものにアプローチします。姿勢や呼吸、飲み込みといった要素も含め、将来の本格矯正をできるだけ軽減・回避することを目指しています。

日中1時間と就寝時のみ装着するため、痛みが少なく、食事・歯みがきは今まで通り行えます。小さなお子さまでも続けやすいのが特徴です。

管理栄養士による食育サポート

当院には管理栄養士が在籍しており、離乳食の進め方や食習慣についても歯科的な視点からアドバイスが可能です。

歯と食事の両面から、お子さまの健やかな成長を支える体制を整えています。乳歯は永久歯の土台になり、口呼吸・指しゃぶり・舌のクセは歯並びに影響します。正しい飲み込み・噛み方は、発音や姿勢にも関係するため、お口の使い方全体を育てるサポートをしています。

まとめ:お子さまの未来を見据えた判断を

小児矯正が本当に必要かどうかは、お子さま一人ひとりの状態によって異なります。

骨格的な問題がある場合や、永久歯の生えるスペースが不足している場合、機能的な問題がある場合は、早期の治療が推奨されます。一方で、多くのケースでは急いで治療を始める必要はなく、中学生以降からの治療でも十分な結果が得られることが科学的に示されています。

大切なのは、適切な時期に専門医の診断を受け、お子さまの成長段階や家庭環境、本人の協力度などを総合的に考慮して、最適な治療開始時期を見極めることです。

当院では、小児歯科・小児矯正を「今だけの治療」とは考えていません。将来、大人になったときに歯で困らないこと、そして健康で豊かな生活を送っていただくことがゴールです。

お子さまのお口のことで気になることがあれば、どんな小さなことでもお気軽にご相談ください。成長期だからこそできるサポートを、専門的な視点で丁寧に行ってまいります。

葛西駅前 あなたの歯医者さん矯正歯科では、お子さまの将来を見据えた小児歯科・小児矯正を提供しています。まずはお気軽にご相談ください。

著者情報

葛西駅前 あなたの歯医者さん矯正歯科 理事長 久保田 達也

経歴

2007〜私立佐野日本大学高等学校 卒業
2013〜日本大学歯学部 卒業
2018〜日本大学大学院歯学研究科 応用口腔科学分野 歯周病学 卒業
2018〜日本大学歯学部付属歯科病院 歯周病科 入局
2019〜デジタルハリウッド大学院 デジタルコンテンツ研究科入学
日本大学歯学部付属歯科病院 非常勤講師

所属学会・認定資格

日本歯周病学会 認定医
日本臨床歯周病学会
口腔インプラント学会
日本顎咬合学会
抗加齢医学会
JIADS
Osseointegration studyclub of Japan
厚生労働省認定 歯科医師 臨研修指導歯科医
日本歯科医師会会員
東京都歯科医師会会員
江戸川区歯科医師会会員

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東京都江戸川区中葛西5丁目32-5  郡山ビル1F
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