インプラントのメリットとデメリット|治療前に知る注意点とは

SUPERVISOR
この記事の監修者
日本歯周病学会認定医
大学病院の歯周病科で10年以上にわたり研鑽を積み、海外の歯周病・インプラント学会でも発表を重ねてきました。
「歯を抜かずに残す」治療を追求し、矯正や補綴、咬み合わせ診断を組み合わせた包括的なアプローチで、再治療のいらない安定した口腔環境を目指しています。
口腔内写真やデジタルレントゲンを活用し、わずかな変化も見逃さず管理。いびき治療や栄養・ストレッチ指導など生活習慣にも踏み込み、全身の健康寿命を延ばすサポートを行っています。
海外で得た最新知見も診療に即反映し、長く健康な口腔状態を維持できるよう努めています。
「歯を失ってしまったけれど、できるだけ自分の歯と同じように噛めるようになりたい」
「入れ歯の違和感や、周りの歯に負担がかかる治療には不安がある」
そんな思いから、インプラント治療を検討される方は少なくありません。インプラント治療は、失った歯を補う方法として注目されていますが、治療を受ける前にメリットとデメリットの両面をしっかりと理解しておくことが大切です。
当院では、患者さんの不安や疑問に丁寧に向き合いながら、負担の少ないインプラント治療を大切にしています。この記事では、インプラント治療の基本から、メリット・デメリット、そして治療前に知っておくべき注意点まで、詳しく解説していきます。

インプラント治療とは?基本を理解する
インプラント治療は、失った歯の機能を回復するための治療法の一つです。
従来の入れ歯やブリッジとは異なり、あごの骨に直接「人工歯根」を埋め込み、その上に人工の歯を取り付けます。この人工歯根のことを「インプラント体」と呼び、多くの場合、骨と結合しやすく劣化しにくい「チタン」という金属が使われています。
インプラント体が骨としっかり結合することで、天然の歯と同じような感覚でしっかりと噛むことが可能になります。この骨との結合を「オッセオインテグレーション」と呼び、インプラント治療の成功に欠かせない要素です。
インプラント治療の基本的な流れ
インプラント治療は、以下のような流れで進みます。
- 精密検査・・・歯科用CTを用いて、あごの骨の状態、神経や血管の位置を三次元的に把握します
- 治療計画の立案・・・検査結果をもとに、インプラントの埋入位置や角度、治療期間などを決定します
- 外科手術・・・局所麻酔を行い、歯茎を切開してあごの骨にインプラント体を埋め込みます
- 治癒期間・・・インプラント体と骨が結合するまで、通常2〜6ヶ月程度の期間を待ちます
- 人工歯の装着・・・結合が確認できたら、アバットメント(連結部分)と人工歯を取り付けます
- 定期メンテナンス・・・治療後も長期的に安定した状態を保つため、定期的なチェックとケアを行います
他の治療法との違い
歯を失った際の治療法には、インプラント以外にも「入れ歯」や「ブリッジ」があります。
入れ歯は、取り外し可能な人工歯です。健康な歯に金具をかけて固定するため、残っている歯に負担がかかることがあります。また、違和感や食べ物が挟まる問題が出てくることもあり、「しっかりと噛めない」と悩む方も少なくありません。
ブリッジは、失った歯の両隣の歯を削り、それを土台として人工歯を橋渡しのように固定する方法です。固定式で安定感はありますが、健康な歯を削る必要があるため、残っている歯への負担が避けられません。
一方、インプラントは、周囲の健康な歯を削ったり、支えにしたりする必要がありません。独立した治療が可能なため、残っている歯に負担をかけずに済むことが大きな特徴です。
インプラント治療の主なメリット

インプラント治療には、他の治療法では得られない多くのメリットがあります。
自分の歯と同じような感覚でしっかり噛める
インプラントの最大のメリットは、天然の歯と同じような感覚でしっかりと噛めることです。
インプラント体があごの骨に直接埋め込まれるため、噛む力が骨に直接伝わります。これにより、硬い食べ物でもしっかりと噛むことができ、食事を楽しむことができます。入れ歯のように「ずれる」「外れる」といった心配もありません。
健康な歯を守ることができる
インプラント治療では、周囲の健康な歯を削る必要がありません。
ブリッジや入れ歯では、残っている歯を支えにするため、どうしても負担がかかってしまいます。しかし、インプラントは独立した治療法であるため、残っている歯の寿命を延ばすことにもつながります。
「これ以上、歯を失いたくない」「将来を見据えた治療を選びたい」という方にとって、大きなメリットと言えます。
見た目が自然で美しい
インプラントの人工歯部分には、「セラミック」や「ジルコニア」といった、天然の歯に近い色や質感を再現できる素材が使われます。
保険適用の差し歯では色味が不自然になってしまったり、入れ歯では笑ったときに金具が見えてしまったりすることがあります。一方、インプラントは見た目の美しさにも優れており、自信を持って笑うことができます。
あごの骨が痩せるのを防ぐ
歯を失うと、あごの骨は次第に痩せていってしまいます。
これは、歯根からの刺激がなくなることで、骨が「使われていない」と判断され、吸収されてしまうためです。インプラントでは、インプラント体が骨に直接刺激を与えるため、骨が痩せるのを防ぐことができます。
骨の健康を保つことは、口腔内全体のバランス維持にもつながります。
健康面・精神面の向上につながる

しっかり噛めるようになることは、健康面・精神面の向上にもつながります。
噛むことで脳に刺激が伝わり、脳が活性化されます。また、しっかり咀嚼できるようになると唾液の分泌が促され、「パロチン」という若返りホルモンの分泌にも期待できます。
食事を楽しめることは、生活の質(QOL)を高める重要な要素です。
インプラント治療のデメリットと注意点
メリットが多いインプラント治療ですが、デメリットや注意すべき点もあります。
治療を検討する際には、これらの点もしっかりと理解しておくことが大切です。
治療費が高額になる
インプラント治療は、原則として保険適用外の自由診療となります。
そのため、一般的な保険適用の歯科治療と比べると、治療費がかなり高額になります。また、治療終了後も定期的なメンテナンスが必要になるため、その分の費用も考慮しておく必要があります。
ただし、医療費控除の対象となる場合があるため、確定申告の際に申請することで、一部の費用が還付される可能性があります。
治療期間が長くなる
インプラント治療は、通常の歯科治療よりも治療期間が長くなります。
インプラント体と骨が結合するまでに、通常2〜6ヶ月程度の時間が必要です。症状によっては、さらに長い期間がかかる場合もあります。通院回数も、手術以外に抜歯や経過観察などで5回程度は必要になります。
「できるだけ早く治療を終えたい」という方にとっては、デメリットと感じられるかもしれません。
外科手術が必要になる

インプラント治療では、局所麻酔を行い、歯茎を切開してあごの骨を削る外科手術が必要です。
麻酔や鎮痛剤でケアしますが、術後は腫れや痛み、微出血などが伴うことがあります。通常、術後3日目をピークに腫れは徐々に引いていき、頬が変色した場合も2週間ほどで完全に元に戻ります。
外科手術に対する不安が強い方には、当院では「静脈内鎮静法」の併用が可能です。うとうとしたリラックス状態で治療を受けていただけるため、痛みや恐怖感を抑えることができます。
すべての人が受けられるわけではない
インプラント治療は、全身状態や口腔内の状態によっては、受けられない場合があります。
例えば、あごの骨の量が不足している場合や、重度の歯周病がある場合、コントロールされていない糖尿病や骨粗鬆症などの全身疾患がある場合などです。
ただし、当院では骨の状態や全身疾患などを理由に他院でインプラント治療を断られた方にも対応できる体制を整えています。セカンドオピニオンや無料相談も行っていますので、まずはご相談ください。
治療後のメンテナンスが重要
インプラントは「入れて終わり」の治療ではありません。
天然の歯と同じように、毎日のブラッシングが必要ですし、メンテナンスのために定期的な通院も必要になります。このメンテナンスを怠ると、インプラントの上部構造を留めているネジが緩んで外れてしまったり、ブラッシングを怠ったせいで「インプラント周囲炎」になり、最悪の場合インプラントを除去しなければならない事態になることもあります。
当院では、インプラント周囲炎を防ぐための定期メンテナンスを重視し、長期的に安定した状態を維持できるようサポートしています。
インプラント治療前に知っておくべきリスク
インプラント治療には、手術に伴うリスクや治療後に起こりうるトラブルがあります。
これらを事前に理解しておくことで、より安心して治療を受けることができます。
手術時のリスク
神経損傷のリスク
下顎の奥歯にインプラントを埋入する場合、神経や血管が通っている「下顎管」に近い位置での手術となることがあります。歯周病などによって骨が大きく吸収している場合、下顎管までの距離が近くなり、神経を傷つけてしまうリスクがあります。
神経を損傷すると、顔の神経麻痺や味覚障害を引き起こす可能性があります。当院では、インプラントを希望するすべての患者さんのCTを撮影し、インプラント専用の解析ソフトを用いて審査・診断を行うため、このようなリスクを最小限に抑えています。
骨との結合不全

インプラント体と骨がうまく結合しない場合、いくつかの原因が考えられます。初期固定が不十分だった場合、骨の幅や密度が不足していた場合、治癒期間の管理が適切でなかった場合などです。
骨とインプラントがうまく結合しないと、せっかく埋め込んだインプラントが抜けてしまう原因にもなります。当院では、審査診断をきちんと行い、このようなことがないように対応しています。
治療後のリスク
インプラント周囲炎
インプラント周囲炎は、インプラント周囲の組織に炎症が起こり、進行すると骨が吸収されてしまう病気です。
天然の歯における歯周病と同様の概念で、プラークバイオフィルムに由来する炎症プロセスです。インプラント周囲炎は難治性であり、再発率も高いことが報告されています。
予防には、毎日の丁寧なブラッシングと、定期的なプロフェッショナルケアが欠かせません。当院では、インプラント周囲炎を防ぐための定期メンテナンスを重視しています。
上部構造のトラブル
インプラントの上部構造(人工歯)がカタついたり、回ったりすることがあります。これは、ネジの緩みや破損が原因となることが多いです。
定期的なメンテナンスでネジの締め直しを行うことで、このようなトラブルを予防できます。
出典
日本歯周病学会「インプラント周囲炎の診断・リスク因子・治療に関するエビデンス」
より作成
当院のインプラント治療の特徴

当院では、「できる限り痛みや不安を抑え、長期的に安定するインプラント治療」を重視しています。
精密な診断と治療計画
当院では、歯科用CTによる三次元診断を行い、神経や血管の位置、骨量を正確に把握したうえで治療計画を立案します。
CTデータを活用した「サージカルガイド」を用いることで、インプラントの埋入角度や深さのズレを防ぎ、より安全で再現性の高い治療を行っています。
安全性を支える設備と環境
当院では、完全個室のオペ室、医療用空気清浄機、生体情報モニター、AEDなどを備え、万が一にも備えた安全管理体制を整えています。
感染対策にも配慮された環境で、安心して治療を受けていただけます。
セカンドオピニオン・無料相談に対応
骨の状態や全身疾患などを理由に、他院でインプラント治療を断られた方や、大学病院を紹介された方にも対応できる体制を整えています。
「本当にインプラントが必要なのか」「他の選択肢はないのか」も含め、治療を無理に勧めることはありません。まずはお気軽にご相談ください。
抜歯即時インプラントにも対応
条件が整えば、抜歯と同時にインプラントを埋入する「抜歯即時インプラント」を選択することが可能です。
手術回数や治癒期間を抑え、身体的・精神的負担を軽減できる一方、高度な診断力と技術が求められる治療のため、すべての症例に適応できるわけではありません。当院ではCTによる精密検査をもとに、適応可否を慎重に判断しています。
静脈内鎮静法で不安を軽減
外科手術に対する不安が強い患者さまには、静脈内鎮静法の併用が可能です。
うとうとしたリラックス状態で治療を受けていただけるため、痛みや恐怖感を抑えたインプラント治療を実現しています。
長期的なメンテナンス体制
インプラントは「入れて終わり」の治療ではありません。
当院では、インプラント周囲炎を防ぐための定期メンテナンスを重視し、長期的に安定した状態を維持できるようサポートしています。高齢の方や認知症を有する方についても、ご家族・介護者の方へ向けた注意点を丁寧にお伝えしています。
まとめ|インプラント治療は慎重な判断が大切
インプラント治療には、天然の歯と同じような感覚でしっかり噛める、健康な歯を守れる、見た目が自然で美しいといった多くのメリットがあります。
一方で、治療費が高額になる、治療期間が長い、外科手術が必要、治療後のメンテナンスが重要といったデメリットや注意点もあります。
インプラント治療を検討する際には、メリット・デメリットの両面をしっかりと理解し、ご自身のライフステージや価値観に合った選択をすることが大切です。
当院では、患者さまのライフステージや価値観を尊重し、メリット・デメリットを正確に説明したうえで、納得いただける治療選択を支えることを使命としています。
「本当に自分に必要なのか」から相談できる安心感を大切にしていますので、まずはお気軽にご相談ください。
葛西駅前 あなたの歯医者さん矯正歯科では、インプラント無料相談・セカンドオピニオンを行っています。あなたに最適な治療法を一緒に考えていきましょう。
著者情報
葛西駅前 あなたの歯医者さん矯正歯科 理事長 久保田 達也

経歴
2007〜私立佐野日本大学高等学校 卒業
2013〜日本大学歯学部 卒業
2018〜日本大学大学院歯学研究科 応用口腔科学分野 歯周病学 卒業
2018〜日本大学歯学部付属歯科病院 歯周病科 入局
2019〜デジタルハリウッド大学院 デジタルコンテンツ研究科入学
日本大学歯学部付属歯科病院 非常勤講師
所属学会・認定資格
日本歯周病学会 認定医
日本臨床歯周病学会
口腔インプラント学会
日本顎咬合学会
抗加齢医学会
JIADS
Osseointegration studyclub of Japan
厚生労働省認定 歯科医師 臨研修指導歯科医
日本歯科医師会会員
東京都歯科医師会会員
江戸川区歯科医師会会員







