矯正は痛いって本当?始める前に知っておきたい痛みと対策

SUPERVISOR
この記事の監修者
日本歯周病学会認定医
大学病院の歯周病科で10年以上にわたり研鑽を積み、海外の歯周病・インプラント学会でも発表を重ねてきました。
「歯を抜かずに残す」治療を追求し、矯正や補綴、咬み合わせ診断を組み合わせた包括的なアプローチで、再治療のいらない安定した口腔環境を目指しています。
口腔内写真やデジタルレントゲンを活用し、わずかな変化も見逃さず管理。いびき治療や栄養・ストレッチ指導など生活習慣にも踏み込み、全身の健康寿命を延ばすサポートを行っています。
海外で得た最新知見も診療に即反映し、長く健康な口腔状態を維持できるよう努めています。
矯正治療の痛みに対する不安を解消するために
矯正治療を検討している方の多くが、「痛いのではないか」という不安を抱えています。
実際、歯並びを整えるために歯を動かす矯正治療では、ある程度の痛みや違和感を伴うことがあります。しかし、痛みの感じ方には個人差があり、また治療技術の進歩により、以前と比べて痛みは大幅に軽減されています。
私は日本大学歯学部付属歯科病院で歯周病科の研修を積み、現在は葛西駅前 あなたの歯医者さん矯正歯科で多くの患者さまの矯正治療に携わっています。その経験から申し上げると、適切な対策を知っておくことで、矯正治療中の痛みは十分にコントロールできるのです。
この記事では、矯正治療における痛みの種類、その原因、そして具体的な対処法について、歯科医師の立場から詳しく解説します。矯正治療を始める前に知っておくべき情報を網羅していますので、不安を感じている方はぜひ参考にしてください。

矯正治療で感じる痛みの種類と特徴
矯正治療中に感じる痛みは、大きく分けて3つの種類があります。
それぞれの痛みには異なる原因があり、対処法も変わってきます。まずは、どのような痛みがあるのかを理解しておきましょう。
歯が動くときの痛み
矯正治療の基本的な仕組みは、歯を支えている組織の破壊と再生の力を利用して歯を動かしていくことです。
歯に矯正装置を装着し矯正力を与えると、歯根膜という靭帯に覆われた状態で骨に植立している歯が動き始めます。この過程で、圧迫側では骨を破壊する破骨細胞が出現し、牽引側では骨を作る骨芽細胞が出現します。
このような生体反応は炎症反応に近いため、痛みを生じるのです。また、圧迫側では歯根膜が押し潰され、毛細血管の血流障害が生じています。血行障害による痛みなので、虫歯や切り傷の時の鋭い痛みというよりは、肩こりや筋肉痛のような鈍い痛みとして感じることが多いのです。
装置が当たる痛み

矯正装置が頬や舌、唇などの粘膜に当たって痛みを感じる場合があります。
これは装置が正しく設置できていない、ワイヤーの長さが適切でないことが原因で起こります。表側のワイヤー矯正では、ワイヤーやブラケットが頬粘膜や唇に擦れることで、粘膜に傷ができてしまう場合があります。中には口内炎になってしまい強い痛みが生じることもあります。
マウスピース矯正であっても、歯の表面につけたアタッチメントや顎間ゴムが歯茎や粘膜に当たることで痛みを覚えることがあります。違和感が続くようであれば、歯科医に相談してください。
咀嚼する際の痛み
歯を動かしている期間は、歯を移動させるための圧がかかっており歯は非常に敏感な状態です。
上下の歯がぶつかったり、食事の際に上下の歯が触れることでも痛むことがあります。しゃべっていたり、日常生活を送ったりする分には痛みを感じないものの、食事のときだけ痛みを感じます。痛みが強いときは、お肉や野菜など、固いものを食べるのが難しくなります。
歯に痛みがあるうちは、柔らかいものを食べましょう。ヨーグルトやゼリーなどがおすすめです。
矯正治療中の痛みはいつまで続くのか
痛みの持続期間を知っておくことで、心の準備ができます。
矯正治療中の歯の痛みの感じ方には個人差がありますが、ずっと続くわけではありません。痛みを感じやすいのは、調整日の翌日から3日後ほどです。装置を調整した翌日が最も痛みを感じ、その後2〜3日間痛みが続き、1週間もすればほとんど痛みを感じなくなるといわれています。
また、この時の痛みを「痛い」と感じる方もいれば「違和感」「むず痒い」などと感じる方もいます。
しかし、稀に2週間経過しても痛みを感じるケースがあります。この場合は、装置に問題が考えられますので、担当医に相談してください。装置に問題がなければ、基本的に痛みが長引くことはありません。仮に痛みを感じたとしても、徐々に慣れていきます。
現在の矯正治療で耐えられないほどの痛みはありません。多くの方は歯列矯正で調整をしていくごとに慣れていきます。また、歯列矯正は調整日から2日間ほど経過したときが最も痛みが強く、時間が経てば経つほど痛みも和らいでいきます。そのため、痛みが強いとしても一時的なものであり、常に痛いわけではありません。
矯正治療の痛みを和らげる具体的な対処法
痛みを感じたときに、どう対処すればよいのか。
ここでは、矯正治療中の痛みを軽減するための具体的な方法をご紹介します。これらの方法を知っておくことで、より快適に矯正治療を続けることができるでしょう。
矯正用ワックスを利用する

矯正装置が頬や舌、唇などの粘膜に当たって痛みを感じる場合は、矯正用ワックスが非常に効果的です。
このワックスは歯科医院でもらえる柔らかい素材でできており、痛みの原因となっている装置の部分に貼り付けて使用します。使い方は簡単です。まず、痛みを感じている装置の部分を特定します。次に、ティッシュやコットンで該当部分の水分をよく拭き取ります。そして、ワックスを適量取り、指で丸めてから乾いた装置に押し付けるように貼り付けます。
ワックスを使用することで、装置のデコボコ感がなくなり、粘膜への刺激が大幅に軽減されます。食事や歯磨きの際には外れてしまうことが多いので、必要に応じて付け直すようにしましょう。
食事内容を工夫する
矯正装置の調整後は、歯に痛みを感じて硬いものが噛みづらくなることがあります。
そんなときは食事内容を工夫することで、痛みを和らげることができます。調整後2〜3日は特に痛みを感じやすいので、この期間は柔らかい食べ物を中心にした食事を心がけましょう。おすすめは煮込みうどんやお粥、豆腐、蒸しパンなど、噛む力をあまり必要としない食品です。
ただし、柔らかいものばかり食べていると顎の筋肉バランスが崩れる可能性があります。痛みが落ち着いてきたら、徐々に通常の食事に戻していくことが大切です。また、極端に冷たいものや熱いものは刺激になることがあるので、温度にも注意しましょう。
痛み止めを適切に使用する
どうしても痛みが強く、日常生活に支障をきたす場合は、痛み止めの服用も一つの選択肢です。
処方される痛み止めで対応できますが、どうしても耐えられない場合は医師に相談するのも1つの手段です。一般的には、市販の鎮痛剤を服用することで痛みを軽減することができます。ただし、軽い痛みで鎮静剤を服用しないようにしてください。鎮静剤には歯の組織の炎症を抑え、歯の動きが鈍る恐れがあるためです。
どうしても痛いときだけ、服用するようにしてください。また、頻繁に痛み止めを使用することは避け、本当に必要なときだけ服用するようにしましょう。不安な場合は、必ず担当医に相談してから使用することをおすすめします。
冷やす・温める方法を試す

歯の痛みに対して、冷やしたり温めたりする方法も効果的です。
痛みが生じる場合は炎症が起きている証拠ですので、冷やすのが効果的です。保冷剤や氷などで、痛い部分を冷やしてください。ただし、冷やしすぎると矯正力が薄れてしまいますので、短時間にしてください。
一方、温かい食塩水でうがいをすることも古くから痛み緩和法として知られています。食塩水の浸透圧変化により痛みが軽減されるとされており、手軽に試せる方法です。これは食塩水によって浸透圧が変化し痛み軽減につながる最もお手軽な対処法です。
歯茎のマッサージを行う
歯茎のマッサージも痛みを和らげる方法の一つです。
血行障害により引き起こされた痛みなのでマッサージにより少しでも血流を良くしてあげると痛みは軽減します。ソニッケアなど、電動音波ブラシを用いると歯もキレイにでき、マッサージ効果も期待でき一石二鳥です。
清潔な指で歯茎を優しく円を描くようにマッサージしましょう。強く押しすぎると逆効果になるので、心地よい程度の圧で行うことがポイントです。1回につき2〜3分程度、1日に数回行うとよいでしょう。
マウスピース矯正は痛みが少ないって本当?
矯正治療の選択肢として、マウスピース矯正が注目されています。
当院でも、透明で目立ちにくく、取り外し可能な**マウスピース型矯正装置(インビザライン/シュアスマイル)**を用いた治療に対応しています。世界的に使用実績のあるシステムを活用し、デジタルデータに基づいた精度の高い治療計画を作成します。
ワイヤー矯正との痛みの違い
マウスピース矯正は、ワイヤー矯正と比べると格段に痛みが軽いのが特徴です。
歯を一気に動かすのではなく、少しずつ段階的に動かしていくため、日々の痛みが分散されるからです。最近のワイヤー矯正装置では、柔らかいNiTIワイヤーや摩擦の少ないローフリクションブラケットといった装置などを使用することにより、以前に比べるとワイヤー矯正治療中の痛みは少ないと言われています。
またマウスピース矯正では弱い力で少しづつ歯を移動させるためワイヤー矯正より痛みは出にくいと言われています。それでも、痛みの感じ方には個人差がありますがまったく痛みを感じずに矯正治療が完了することは少ないといえるでしょう。
マウスピース矯正で感じる痛みの特徴
マウスピース矯正で感じる痛みは、多くの場合「痛み」というよりも「圧迫感」や「違和感」と表現される方が適切です。
窮屈な感じがする、歯に少し圧迫感がある、歯が覆われていて違和感がある、マウスピースが頬や舌に少し当たる、といった感覚です。これらの感覚は、我慢できないほどの強い痛みにつながることはほとんどありません。また、食事の際はマウスピースを外すため、食事中に痛みを感じることもほぼないのです。
痛みを感じやすいタイミングは主に3つあります。1つ目は、初めてマウスピースを装着した時です。慣れない異物感から違和感を覚えるのは自然なことです。多くの場合、3日から1週間程度で徐々に慣れていきます。2つ目は、新しいマウスピースに交換した時です。インビザラインは通常、1〜2週間ごとに新しいマウスピースに交換していきます。新しいマウスピースは前のものより少し歯を動かす設計になっているため、交換直後は圧迫感を感じることがあります。
当院の矯正治療の特徴と安心のサポート体制

葛西駅前 あなたの歯医者さん矯正歯科では、患者さまが安心して矯正治療を受けられる環境を整えています。
無料の初診カウンセリングと事前シミュレーション
矯正治療は期間や費用、治療後の変化など、不安や疑問が多い治療です。
当院では初診カウンセリングを無料で行い、現在の歯並びやかみ合わせの状態、将来予測について丁寧にご説明します。口腔内3Dスキャナーを用いた事前シミュレーションにより、治療の進行イメージを視覚的に確認したうえで治療を検討していただけます。
「自分の歯が今どうなっているのか」「治療すると何が変わるのか」を理解したうえで考えられるのは、患者として大きな安心材料です。
非抜歯・外科手術を行わない基本方針
当院の矯正治療は、外科手術を行わず、小臼歯の抜歯を極力行わないことを基本方針としています。
歯を並べるスペースを確保するために、歯を奥へ移動させる方法や歯間をわずかに調整する方法などを用い、可能な限り健康な歯を残す治療計画を立案します。「歯を大切にしたい」と考える患者さんにとって大きな魅力です。ただし、歯並びや骨格の状態によっては、非抜歯治療が適さない場合もあります。
かみ合わせを重視した矯正治療
当院では、矯正治療のゴールを「見た目が整った歯並び」だけに設定していません。
かみ合わせが正しく機能しているかを重視し、矯正治療後も安定した状態が続くことを目標としています。かみ合わせは、顎関節や姿勢、咀嚼機能などにも関係するため、長期的な視点での診断と治療を行っています。見た目を整えるだけでなく、噛む機能や将来の歯の健康、全身への影響まで考慮した診断を行っています。
矯正中・矯正後まで見据えた総合歯科対応
当院は矯正治療専門医院ではなく、一般歯科診療にも対応しています。
そのため、矯正治療中のむし歯・歯周病のチェックや治療、親知らずの抜歯、インプラントや補綴治療の相談など、矯正と並行した総合的な口腔管理が可能です。矯正治療後も、長期的に安定した口腔環境を維持できるようサポートしています。「矯正だけをする場所」ではなく、長期的に口の健康を任せられる歯科医院として、患者さまに寄り添っています。
矯正治療を始める前に知っておきたいこと
矯正治療は、長期的な視点で取り組む治療です。
痛みに対する不安は自然なことですが、適切な知識と対処法を知っておくことで、その不安は大きく軽減されます。現在の矯正治療技術は大きく進歩しており、以前と比べて痛みは格段に少なくなっています。特にマウスピース矯正は、痛みが少なく、日常生活への影響も最小限に抑えられる治療法です。
当院では、インビザライン・プラチナエリートプロバイダーに認定されており、マウスピース矯正に関する豊富な経験を積み重ねてきました。これは一定数以上の症例実績をもつ歯科医院に与えられる評価基準で、患者さまに安心して治療を受けていただける証です。
また、口腔内3Dスキャナーやセファロ撮影を含む各種レントゲン設備を活用し、歯や顎骨、神経・血管の位置を考慮した安全性の高い診断を行っています。治療経過を定期的に確認しながら、計画に沿った矯正治療を進めていきます。
「矯正は大変そう」「自分に合うか分からない」と感じている方こそ、まずは話を聞いてみる価値があります。歯並びに悩みながらも一歩踏み出せずにいる患者さんに、寄り添いながら選択肢を示してくれる―それが、当院の大きな特徴だと考えています。
矯正治療における痛みは、決して乗り越えられないものではありません。適切な対処法を知り、信頼できる歯科医院でサポートを受けることで、快適に治療を進めることができます。美しい歯並びと健康なかみ合わせを手に入れるための第一歩として、まずは無料カウンセリングでご相談ください。
著者情報
葛西駅前 あなたの歯医者さん矯正歯科 理事長 久保田 達也

経歴
2007〜私立佐野日本大学高等学校 卒業
2013〜日本大学歯学部 卒業
2018〜日本大学大学院歯学研究科 応用口腔科学分野 歯周病学 卒業
2018〜日本大学歯学部付属歯科病院 歯周病科 入局
2019〜デジタルハリウッド大学院 デジタルコンテンツ研究科入学
日本大学歯学部付属歯科病院 非常勤講師
所属学会・認定資格
日本歯周病学会 認定医
日本臨床歯周病学会
口腔インプラント学会
日本顎咬合学会
抗加齢医学会
JIADS
Osseointegration studyclub of Japan
厚生労働省認定 歯科医師 臨研修指導歯科医
日本歯科医師会会員
東京都歯科医師会会員
江戸川区歯科医師会会員







