インビザラインで出っ歯は治せる?歯科医が判断ポイントを徹底解説

SUPERVISOR
この記事の監修者
日本歯周病学会認定医
大学病院の歯周病科で10年以上にわたり研鑽を積み、海外の歯周病・インプラント学会でも発表を重ねてきました。
「歯を抜かずに残す」治療を追求し、矯正や補綴、咬み合わせ診断を組み合わせた包括的なアプローチで、再治療のいらない安定した口腔環境を目指しています。
口腔内写真やデジタルレントゲンを活用し、わずかな変化も見逃さず管理。いびき治療や栄養・ストレッチ指導など生活習慣にも踏み込み、全身の健康寿命を延ばすサポートを行っています。
海外で得た最新知見も診療に即反映し、長く健康な口腔状態を維持できるよう努めています。
インビザラインで出っ歯は治せるのか?
「出っ歯が気になって、思い切り笑えない」「インビザラインで本当に治るのか不安」
そんな悩みを抱えている方は少なくありません。
結論から申し上げると、多くの出っ歯はインビザラインで治療が可能です。ただし、出っ歯の原因や程度によっては、インビザライン単独での治療が難しいケースもあります。
出っ歯は医学的には「上顎前突(じょうがくぜんとつ)」と呼ばれ、上の前歯や上顎が前方に突き出している状態を指します。日本人は顎の骨格が縦に長く歯が生え揃うスペースが少ないため、欧米に比べて出っ歯の症例が多く、10人に1人は出っ歯で悩んでいるといわれています。
見た目のコンプレックスになるだけでなく、口をしっかりと閉じるのが難しくなったり、前歯でものを噛み切れないといった機能的な問題も生じます。

出っ歯には3つのタイプがある
出っ歯と一言で言っても、実は原因によって大きく3つのタイプに分類されます。
この分類は治療法を決める上で非常に重要です。なぜなら、タイプによってインビザラインの得意・不得意が大きく変わるからです。
①歯性出っ歯(歯の傾きが原因)
歯そのものが前に傾いているタイプです。骨格には大きな問題がなく、歯の角度や位置を調整することで改善が期待できます。
このタイプはインビザライン治療に非常に適しています。マウスピースは歯全体を包み込むような形状のため、一本一本の歯に適切な力をかけて、理想的な角度に導くことができます。しかも、力のかけ方が優しく持続的なので、歯の移動も安定しています。
②骨格性出っ歯(上顎が前、または下顎が後ろ)

上顎の骨が前に出ている、または下顎が小さく後退しているタイプです。骨格そのものに問題があるため、歯を動かすだけでは限界があります。
軽度であれば、インビザライン単独で対応できることもあります。中等度になると、ワイヤー矯正の方が有利になることがあり、重度の場合は外科矯正(骨を動かす手術)も併用しないと十分な改善は難しくなります。
③上下顎前突(上下とも前に出ている)
上下の歯と顎が両方とも前方に出ているタイプです。「口元がもっこりしている」とよく表現される状態ですね。
このタイプは、抜歯などを併用することでインビザラインでの治療が可能になることが多いです。

顎が小さいことと歯並びの関係とは?インビザライン矯正での対処法を解説
顎が小さいことで起こりやすい歯並びの問題や、その原因について解説します。インビザライン矯正でどのように対応できるのか、治療の考え方をわかりやすくまとめた記事です。
インビザラインが得意な出っ歯、苦手な出っ歯
インビザラインが得意なのは「歯の角度の問題」
歯性出っ歯のように、歯の傾きや位置を調整すれば改善できるケースは、まさにインビザラインの得意分野です。
透明で目立ちにくく、取り外し可能なマウスピース型矯正装置を用いることで、日常生活への影響を最小限に抑えながら治療を進めることができます。
当院では、口腔内3Dスキャナーを用いた事前シミュレーションにより、治療の進行イメージを視覚的に確認したうえで治療を検討していただけます。
また、前歯をもっと引っ込めたい場合には、アンカースクリューという補助装置を併用することで、インビザラインでも高精度な動きが可能になります。アンカースクリューとは、歯を動かす際の固定源として使う小さな矯正用ネジです。顎の骨に一時的に埋め込み、歯を後ろに引っ張る力の支点として機能します。
骨格の問題は限界があるケースも

一方、骨格性出っ歯の場合は、その程度によって対応が変わってきます。
軽度であれば、インビザライン単独で対応できることもあります。中等度になると、奥歯の位置や根のコントロールが必要になるため、ワイヤー矯正の方が有利になることがあります。重度の場合は、外科矯正も併用しないと十分な改善は難しくなります。
骨格が大きく突出している場合や、歯を大幅に動かす必要があるケースでは、インビザライン単独での治療が難しいことがあります。治療の初期段階でワイヤー矯正を用いて歯を大きく動かし、その後インビザラインに切り替える「ハイブリッド矯正」や、外科手術を併用する方法が提案されることもあります。
インビザラインで出っ歯を治療する方法
インビザラインで出っ歯を矯正する場合、まずは骨格的な問題がないかを検査します。
口腔内の写真や歯のレントゲン撮影、CT撮影に加えて、セファロ撮影という横顔のレントゲンを撮影します。横顔のセファロを分析することで、歯だけの問題なのか、骨格にも問題があるのか、上顎・下顎どちらの位置が悪いのか、抜歯した場合にどれくらい下げることができるのかを診断することができます。
マウスピース1枚で動かせる歯の移動量は約0.25mmのため、一度に大きく歯を動かすことはできません。枚数を重ねることで歯を移動させていきます。歯を移動させるためには歯列にスペースを確保する必要があります。
抜歯が不要な場合
歯を移動させるスペースを確保するためにIPRを行います。IPRとは、歯と歯の間を0.1mm単位で削ることで隙間を作る処置です。
それ以外にも、歯列を広げることでスペースを確保する方法を採る場合もあります。顎の位置の修正が必要な場合は、顎間ゴムという上顎下顎の位置のバランスをとる方法を併用することもあります。
抜歯が必要な場合

抜歯をする場合、前から4番目の小臼歯と呼ばれる歯を抜くことが多く、歯列の真ん中あたりの歯を抜くことで全体的な歯の移動量を少なくすることができます。
これによってできたスペースを埋めるように突出している歯を少しづつ動かしていきます。中等度~重度の出っ歯の場合は抜歯が必須になることがあります。
当院の基本方針は非抜歯です。外科手術を行わず、小臼歯の抜歯を極力行わないことを基本方針としています。歯を並べるスペースを確保するために、歯を奥へ移動させる方法や歯間をわずかに調整する方法などを用い、可能な限り健康な歯を残す治療計画を立案します。ただし、歯並びや骨格の状態によっては、非抜歯治療が適さない場合もあります。
インビザラインで出っ歯を治療するメリット
矯正器具が目立たない
インビザラインは透明なマウスピースを使った矯正方法であるため、ほとんど目立ちません。
ワイヤーを使った矯正方法の場合、種類によってはとても目立ちやすく、少し口を開けただけで矯正していることがわかります。中には、矯正中の見た目が気になって治療をためらってしまう方もいるようです。
ですが、インビザラインの場合は少し歯が見えた程度ではほとんど気づかないような素材を使用しています。人と話をすることが多い方などでも取り入れやすいでしょう。
ワイヤーによる治療に比べて痛みが少ない
ワイヤーを使った矯正装置は歯を動かす力が強い一方で、痛みを感じやすいです。
ですが、インビザラインは弱い力で少しずつ矯正する方法であるため、ワイヤーを使った矯正よりも痛みを抑えられます。できるだけ痛くない矯正に取り組みたい方にとってもメリットがあります。
着脱できる
基本的に自分で着脱できないワイヤーを使った矯正装置とは異なり、インビザラインは、食事をする際などに取り外しが可能です。
歯磨きをする時にも取り外すことによって磨き残しが発生しにくくなります。虫歯が発生していないかなども目視で確認しやすいでしょう。
治療計画を3Dでシミュレーションできる
インビザラインを用いて矯正治療を行う場合、事前にパソコンのソフトウェアを使用して具体的なシミュレーションが可能です。
どういった形で歯が動いていくのかなどがわかりやすいのもメリットといえます。
インビザラインで出っ歯を治療するデメリット

インビザラインが適用できない場合がある
出っ歯の状態などによってはインビザラインの治療が向いておらず、適用されないことがあります。
無理にインビザラインのみで矯正しようとすると非常に時間がかかるケースの際は、ワイヤー治療などと組み合わせることも多いです。インビザラインによる治療が可能かについては、歯科医院で相談してみましょう。
マウスピースを管理しなければならない
マウスピースは取り外しが可能であることから、自己管理が必要です。
装置を装着している間しか矯正効果がないため、取り外している時間が長いと治療期間が延びてしまいます。1日20~22時間以上の装着が推奨されており、装着時間を守ることが治療成功の鍵となります。
歯並びによっては治療に時間がかかる
出っ歯の程度や歯並びの複雑さによっては、治療期間が長くなることがあります。
軽度の出っ歯であれば1年未満で終わることもありますが、全体矯正が必要なケースでは2~3年ほどかかるのが一般的です。治療計画通りに進まない場合は、途中で計画を変更して再度アライナーを作り直すこともあります。
インビザラインによる出っ歯の治療期間と費用
治療期間の目安
出っ歯のインビザライン治療にかかる期間は、お口の状態によって大きく異なります。
前歯の傾きを少し治すだけで済むような軽度の出っ歯であれば、治療範囲を限定した部分矯正で対応できることがあります。この場合の期間は1年未満で終わることも少なくありません。
一方で、奥歯から動かす必要があったり、抜歯を伴ったりする全体矯正が必要なケースでは、期間は2~3年ほどかかるのが一般的です。
治療費の目安
インビザラインの治療費も、症例の複雑さによって変動します。
部分矯正であれば20万円~80万円程度、全体矯正が必要なケースでは50万円~100万円程度が一般的な相場とされています。
当院では矯正初診相談を無料で行っており、現在の歯並びやかみ合わせの状態、将来予測について丁寧にご説明します。治療費についても、患者さま一人ひとりの状態に合わせて詳しくご案内いたします。
出っ歯を放置した場合のリスク
出っ歯を放置してしまうと、見た目を気にする以上に健康リスクが考えられます。
虫歯や歯周病
出っ歯は自然と口が開きやすいため口腔内が乾燥します。口腔内が乾燥すると唾液による自浄作用が出来なくなり、虫歯や歯周病がおこりやすい環境を作ってしまいます。
特に歯茎は乾燥に弱いため、歯周病のリスクが高くなる可能性があります。
胃腸の消化の負担
出っ歯に限らず歯並びが悪いと食べものを噛み切ったり、しっかりと咀嚼出来ていないまま嚥下してしまいます。
その結果、多くの食べものを胃腸で分解するため消化不良をおこします。咀嚼は食べものを細かくしてくれることと消化酵素などを含む唾液の分泌が促進されて食べものを分解してくれます。その結果、胃腸の負担を軽減することができます。
顎関節症
顎関節症は顎関節に負担がかかることによって、そのリスクは高くなります。
出っ歯は自然と口が開きやすく、口が開いた状態が続いてしまうため顎関節に負担がかかります。
出っ歯の傾斜、口元の膨らみの悪化
出っ歯を放置してしまうと歯の傾斜が少しずつ悪化してしまう可能性があります。
そのため口元が盛り上がってしまう状態の口ゴボや横顔を見た時の鼻の高さと唇が同じラインまで前に出てしまう恐れがあります。

当院のインビザライン治療の特徴
かみ合わせを重視した矯正治療
当院では、矯正治療のゴールを「見た目が整った歯並び」だけに設定していません。
かみ合わせが正しく機能しているかを重視し、矯正治療後も安定した状態が続くことを目標としています。かみ合わせは、顎関節や姿勢、咀嚼機能などにも関係するため、長期的な視点での診断と治療を行っています。
インビザライン・プラチナエリートプロバイダー
葛西駅前 あなたの歯医者さん矯正歯科は、インビザライン・プラチナエリートプロバイダーに認定されています。
これは一定数以上の症例実績をもつ歯科医院に与えられる評価基準で、マウスピース矯正に関する経験を積み重ねてきた結果です。
矯正中・矯正後まで見据えた総合歯科対応
当院は矯正治療専門医院ではなく、一般歯科診療にも対応しています。
そのため、矯正治療中のむし歯・歯周病のチェックや治療、親知らずの抜歯、インプラントや補綴治療の相談など、矯正と並行した総合的な口腔管理が可能です。矯正治療後も、長期的に安定した口腔環境を維持できるようサポートしています。
デジタル設備を活用した精密な診断
口腔内3Dスキャナーやセファロ撮影を含む各種レントゲン設備を活用し、歯や顎骨、神経・血管の位置を考慮した安全性の高い診断を行っています。
治療経過を定期的に確認しながら、計画に沿った矯正治療を進めていきます。
まとめ
インビザラインで出っ歯は治せるのか、という疑問に対して、多くのケースで治療は可能ですが、出っ歯の原因によってインビザライン治療の向き不向きがあることをお伝えしました。
特に歯の傾きが原因のケースはインビザラインが得意とするケースです。一方で、骨格が大きく突出しているケースや、歯を大幅に動かす必要があるケースでは、インビザライン単独での治療が難しいことがあります。
インビザラインのメリットは、矯正器具が目立たない、痛みが少ない、着脱できる、治療計画を3Dでシミュレーションできるといった点です。一方で、適用できない場合がある、マウスピースを管理しなければならない、歯並びによっては治療に時間がかかるといったデメリットもあります。
出っ歯を放置すると、虫歯や歯周病、胃腸の消化の負担、顎関節症、口元の膨らみの悪化といった健康リスクが考えられます。
当院では、矯正初診相談を無料で行い、口腔内3Dスキャナーを用いた事前シミュレーションにより、治療の進行イメージを視覚的に確認したうえで治療を検討していただけます。
歯並びを整えることだけを目的とせず、かみ合わせと全身のバランスまで見据えた矯正治療を大切にしています。見た目の美しさと、長期的に安定する機能性の両立を目指し、患者さま一人ひとりに合わせた治療計画をご提案しています。
「矯正に興味はあるけれど、歯を抜くのが怖い」「装置が目立つのは避けたい」「本当に自分に合う治療なのか、きちんと説明してほしい」
そんな不安を感じている方は、ぜひ一度ご相談ください。納得して一歩を踏み出しやすい環境が整っています。
歯並びに悩みながらも一歩踏み出せずにいる方に、寄り添いながら選択肢を示してくれる―それが、葛西駅前 あなたの歯医者さん矯正歯科の特徴です。
著者情報
葛西駅前 あなたの歯医者さん矯正歯科 理事長 久保田 達也

経歴
2007〜私立佐野日本大学高等学校 卒業
2013〜日本大学歯学部 卒業
2018〜日本大学大学院歯学研究科 応用口腔科学分野 歯周病学 卒業
2018〜日本大学歯学部付属歯科病院 歯周病科 入局
2019〜デジタルハリウッド大学院 デジタルコンテンツ研究科入学
日本大学歯学部付属歯科病院 非常勤講師
所属学会・認定資格
日本歯周病学会 認定医
日本臨床歯周病学会
口腔インプラント学会
日本顎咬合学会
抗加齢医学会
JIADS
Osseointegration studyclub of Japan
厚生労働省認定 歯科医師 臨研修指導歯科医
日本歯科医師会会員
東京都歯科医師会会員
江戸川区歯科医師会会員







